複合フローリングの基本
複合フローリングとは
複合フローリングは、複数の層で構成されたフローリング材です。
一般的には、基材として使用される合板や集成材の上に、天然木の薄板(突板)や化粧シートを貼り合わせて作られます。
この構造により、耐久性や機能性が向上し、見た目の美しさも保たれます。
複合フローリングの一つの特徴は、天然木の質感と耐久性を兼ね備えている点です。
例えば、突板フローリングは、薄くスライスした天然木の板を基材に貼り付けており、無垢材に近い外観を持ちながら、無垢材よりもコストが抑えられます。
また、シートフローリングは、木目をプリントした樹脂シートを表面に貼り付けたもので、耐久性が高く、お手入れも簡単です。
メリットとデメリット
メリット
耐久性 複合フローリングは、日常の使用に耐えるよう設計されています。
傷や磨耗に強く、長期間にわたり美しさを保つことができます。
特に、シートフローリングは耐久性が高く、頻繁な掃除にも対応できます。
コストパフォーマンス 無垢フローリングと比べて、複合フローリングは一般的にコストが低く抑えられます。
そのため、予算を抑えつつ高品質なフローリングを選びたい方に最適です。
デザイン性 複合フローリングは、多様なデザインや色合いが選べるため、インテリアに合わせた最適な選択が可能です。
突板フローリングは、天然木の美しさを楽しめる一方で、シートフローリングはリアルな木目を再現し、モダンなデザインも取り揃えています。
デメリット
質感の違い 無垢材と比べて、複合フローリングの質感は若干劣る場合があります。
特に、シートフローリングはプリントされた木目のため、触感や見た目のリアルさに限界があります。
経年変化 長期間使用すると、表面の剥がれや色褪せが起こる可能性があります。
特に、直射日光が当たる場所では、色褪せが顕著に現れることがあります。
このため、定期的なメンテナンスが必要です。
複合フローリングの種類
突板フローリング
突板フローリングは、合板や集成材の基材に薄くスライスした天然木の板(突板)を貼り合わせたものです。
天然木の美しい木目を楽しむことができ、無垢材に近い外観を持ちながら、無垢材よりもコストが抑えられます。
突板フローリングは、木質感を感じたいという方におすすめです。
また、様々な樹種の突板が使用されているため、ブラックウォールナットやチェリー、チークなどの高級感あるデザインを選ぶことができます。
挽き板フローリング
挽き板フローリングは、厚さ2~3mmの天然木単板(挽き板)を基材に貼り合わせたもので、無垢材に非常に近い質感と耐久性を持ちます。
挽き板フローリングは、無垢材と同様に木のぬくもりや質感をしっかりと感じることができるため、高品質な仕上がりを求める方に適しています。
ただし、その分価格も高くなる傾向があります。
シートフローリング
シートフローリングは、木目をプリントした樹脂シートを表面に貼り付けたもので、耐久性が高く、お手入れも簡単です。
シートフローリングは、表層が樹脂でできているため、水気に強く、反りや収縮のリスクが少ない点が特徴です。
さらに、抗菌・床暖房対応など、機能面でも優れた商品が多く、近年は低価格ながら高機能なラインナップが続々と登場しています。
複合フローリングの種類を選ぶ際には、使用する場所や目的に応じて適切なものを選ぶことが大切です。
例えば、キッチンやバスルームなどの水回りには耐水性の高いシートフローリングを、リビングやダイニングにはデザイン性と質感を重視した突板や挽き板フローリングを選ぶと良いでしょう。
選び方のポイント
メンテナンスのしやすさ
日常のお手入れのしやすさも選択の重要なポイントです。ワックス不要のタイプや、掃除が簡単なフローリングを選ぶと、日々のメンテナンスが楽になります。例えば、表面に特殊コーティングが施されたフローリングは、汚れに強く、美観を長く保つことができます。また、耐傷性の高いフローリングを選ぶことで、ペットや子供がいる家庭でも安心して使用できます。
床暖房対応
床暖房を導入している場合は、床暖房対応の複合フローリングを選ぶことが必須です。一般的なフローリングでは、熱によるひび割れや反りが発生することがありますが、床暖房対応のフローリングは、熱に強く、収縮やそりが生じにくいように設計されています。床暖房を使用する際は、熱源の方式によって対応する商品が異なるため、購入前に確認することが大切です。
複合フローリングの取り扱いとお手入れ
日常のお手入れ
複合フローリングを美しく保つためには、日常のお手入れが欠かせません。掃除機を使ってホコリや髪の毛を取り除くことが基本です。特に、小石や食べかすなど大きなものが落ちている場合は、引きずらないように気を付けることが大切です。これらはフローリングを傷つけてしまう可能性があるため、掃除機をかける前に拾っておきましょう。
雑巾がけ
複合フローリングは、乾拭きも水拭きも可能です。乾拭きで落ちない汚れは水拭きで丁寧に拭き取りましょう。ただし、木材は水に弱い性質があるため、水拭きをした後は水分が残らないように必ず乾拭きを徹底しましょう。また、オイル塗装が施されている場合は、水拭きをすると毛羽立ちや白濁が発生することがあるため、なるべく水拭きを避けるようにしましょう。
中性洗剤の使用
洗剤を使用する場合は、中性のものを選ぶと良いです。雑巾やモップに中性洗剤を含ませる場合は、よく絞ってから使用することをおすすめします。雑巾がけやモップがけが終わったら、きれいな水で二度拭きし、特にフローリングの目地に水分が残らないように丁寧に乾拭きしましょう。
ワックスがけ
複合フローリングの中には、ワックスがけが不要なタイプもありますが、必要な場合は数年に一度ワックスがけを行うと良いでしょう。既存のワックスを剥離してから新しいワックスを塗布する場合は、ホームセンターなどで剥離材を購入しましょう。既存のワックスの上から塗布する場合は、薄く均一に塗ることがポイントです。
その他の注意点
家具の脚にフェルトを貼るなど、フローリングを傷つけない工夫も大切です。また、定期的に換気を行い、室内の湿度を適切に保つことで、フローリングの反りやひび割れを防ぐことができます。特に床暖房を使用している場合は、急激な温度変化を避けるよう注意しましょう。
日常的に適切なお手入れを行うことで、複合フローリングの美しさを長期間保つことができます。正しいメンテナンスを行い、快適で清潔な住環境を維持しましょう。